WHITE ROOM COFFEE BLOG

コーヒーの抽出に特化した記事をメインに記載します

【ドリップレシピ】グアテマラの美味しい淹れ方

こんにちは、こんばんはWRCのレオです。

僕は本当に常にコーヒーの淹れ方ばかり考えていて、日々あーでもないこーでもないと考えているわけなのですが…

このブログでは、そんな僕の頭の中の検証結果として、豆ごとに合わせたレシピを綴っていきたいなと思っています。

 

第1段は現在WRCで扱っているグアテマラ サンフアン農園のブルボンテキシク ウォッシュドプロセスのコーヒーです。

 

 

コーヒーの情報

農  園:サンフアン

産  地:アンティグア

農  家:Elizabeth Eger / Luice Pedro Celaya

標  高:1800 - 1850 m

品  種:ブルボンテキシク

生成処理:フリーウォッシュド

 

グアテマラ・アンティグアは3つの火山に囲まれた盆地で、火山灰質の豊かな土壌が広がり、山から吹き付ける冷涼な空気が昼夜の寒暖の差を生み出します。最高品質のコーヒーを作る自然条件が揃ったアンティグアは、グァテマラで最初にコーヒー栽培の始まった伝統に加え、また古くから最高品質コーヒーの代名詞です。また、コーヒーの名とともに、古都アンティグアは町全体が世界遺産となっており、中米の一大観光地です。

 

このアンティグアを代表するコーヒー生産者がルイス・ペドロ・セラヤ氏です。自身の農園だけでなく、アンティグア域内の各農園の農園管理も受託し、約20の農園を管理しています。サンフアン農園も同様に不在の農園主に代わって農園管理を受託し、最新の農学に基づいて、マメ科のシェードツリーを一定間隔に綺麗に配置し、また収穫日ごとのマイクロロット管理によって、「アンティグア・コーヒー」のブランドを超える素晴らしいコーヒーを提供してくれます。

 

このサンフアン農園は、アンティグアを囲む山の斜面にあります。アンティグアのコーヒー農園の多くが盆地の底、標高1500-1600mにありますが、サンフアンは少し高い場所にあり、テロアールも少し特徴的です。テキシク品種は、エルサルバドル生まれのブルボンの選抜品種で、通常はブルボンとして栽培、販売されているようですが、面白いことにエルサルバドルではあまり評価が高くなく、ここアンティグアのセラヤ氏は、この風味を評価し、様々な農園で栽培しています。

引用元URL:

www.specialty-coffee.jp

 

カッピング

まずは豆がどの様な特性があるのかを知るために、カッピングを行います。

 

〜条件と使用器具〜

Brew Ratio 1:16.6

今回は抽出に特化した目的で行うため、粉12gに対し、お湯200gを使用します。

この比率は僕が抽出する際に最大まで引き伸ばした際のBrew Ratioのため、ここを分岐点とします。

 

・挽き目 COMANDANTE C40  20clicks

メッシュサイズ#20を70~75%透過した挽き目が僕の所持するコマンダンテではこの辺りのため、こちらの挽き目を使用します。

 

・湯温 93℃

普段90℃以上あまり使用しないので、今後は下げるかも?

 

手順に関しては4分にブレイク*1し、今回は8分からすすり始めます。

では、実際にやってみましょう!!

 

〜カッピング結果〜

カッピングの結果、このコーヒーにはシュガーブラウニング系のキャラメルやチョコレートの様な綺麗で柔らかい甘さに特徴があることがわかりました。それでいて、アフターテイスにはストーンフルーツや青リンゴの様な繊細な酸味も感じました。

ボディはミディアムライトでシルキーでスムースな口当たりです。

各要素が補いあった非常にバランスの良いコーヒーだと感じました。

この点を踏まえてコーヒーのレシピ作成に移っていきたいと思います。

 

レシピ作成

まず、ドリッパーの選定ですが、円錐形のドリッパーよりもフラットボトムタイプの方が合いそうだと感じました。

理由としては、甘さと酸を両立させたいので、ある程度粉とお湯を触れさせる必要があるため、お湯抜けが早すぎると甘さに欠けてしまうと感じたからです。

そこで今回は、april brewerを使用したいと思います。

このコーヒーは派手なフレーバーは感じなかったため、フラットの中でも早く抜くというよりかは、安定したフローレートで抽出した方が最終的なカップクオリティが上がると感じたからです。

 

粉とお湯の比率ですが、1g粉を増やして1:15.3のBrew Ratio*2にしたいと思います。

フレーバーの強度はそこまで高くなかったのと、酸の輪郭をはっきりさせるためです。

 

挽き目はCOMANDANTE 28clicks で挽いていきます。細かくして、早く甘さを挽き出すのでも良さそうだと感じましたが、甘さの質が非常にナチュラルだと感じたので、甘さは抽出時間でコントロールすのが良いと判断したのと、繊細な酸味を明確にしたいと思ったので、やや粗く挽き、酸の穏やかかつ綺麗な印象を引き立てたいと感じました。

 

お湯の温度は87℃でいきたいと思います。よりエンザイマティック*3の強度がはっきりしているなら90℃以上でもいいかなと思いましたが、やはり一番感じたのはシュガーブラウンニングです。そこをしっかりと補いつつ、酸を犠牲にしないのはこの辺りかなと判断したからです。

 

では、抽出に移ります!

 

抽出

〜抽出器具〜

使用する器具を載せておきます。

 

 

  • グラインダー:COMANDANTE C40

           https://amzn.asia/d/3APApbT

 

なるべくシンプルに再現性のあるレシピかつ、意図性をクリアできることを目標とします。

 

〜抽出レシピ〜

豆:グアテマラ サンフアン ブルボンテキシク ウォシュッド

湯温:87℃

挽き目:28clicks (COMANDANTE)

Brew Ratio:1:15.3 (粉13g:湯量200g)

  1. 50g circle  0:00 - 0:10
  2. 50g circle  0:35 - 0:45
  3. 50g circle  1:05 - 1:15
  4. 50g circle  1:35 - 1:45

TBT 2:45  TDS 1.40%


〜レシピの意図とカップクオリティ〜

レシピはトータル湯量を4分割し、粉と湯のコンタクトを増やすことで、甘さと酸味、ボディのバランスをとることにしました。

 

湯量を前後させることなく、一貫した湯量を注ぎ続けたのは、抽出の均一性を高めるためです。

全ての注ぎにおいて注湯間隔を30秒にしても良いと感じましたが、やや粗め、湯温の設定ともにやや酸よりに傾いているため、あえて1投目のみ5秒引っ張ることで抽出効率を高め、酸の印象がサワーになることを防ぎました。

 

抽出においてより細かいことを言うと、常に水位が一定のラインにとどまる様に注ぎました。水位を上昇させた場合、フローレートは早くなりますが、ウォッシュドの様な硬い豆の場合、水位が下がったタイミングで目詰まりを起こす可能性があったため、メインの抽出中は常に同じフローレートを保つため、前半はややアグレッシブに注ぎ、後半は真ん中に戻り、ゆっくりと一点に注ぐことでフローレートを担保しています。(全て10秒以内)

 

カップの印象は、まず綺麗なキャラメルやトフィーの様な甘さが際立っており、鼻にフローラルなややボタニカルなアロマも感じました。

冷めてくると、アプリコットやイエローピーチ、そしてレモンキャンディーの様な柑橘の酸味を感じました。

ボディはミディアムでスムース、冷めるとジューシーな口当たりに。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

この様に、まずは豆の情報を得て、カッピングで素材を知ることで自分好みのコーヒーを作ってみてはいかがでしょうか?

コーヒーのレシピに正解不正解はなく、自分ならどうするか、どんなコーヒーが飲みたいかから逆算することでコーヒーは非常に楽しくなります。

 

今後も僕の豆以外でもやっていくつもりなので、読んでくれたら嬉しいです。

では、また👋

 

*1:3回スプーンで上澄みを攪拌

*2:粉とお湯の比率

*3:有機