WHITE ROOM COFFEE BLOG

コーヒーの抽出に特化した記事をメインに記載します

【焙煎】焙煎とは?焙煎解説篇

こんにちは、WRCのレオです。

今回は焙煎について

解説をしていきたいなと思います。

今後このブログでコーヒーの抽出にフォーカスした記事を挙げていきたいのですが、その前に焙煎を軽く触れておきたいなと思い、先に焙煎からアップします。

というのも抽出と焙煎は工程が全く異なりますがとてつもなくリンクしています。
そのため、焙煎をある程度理解しておくと、抽出も理解しやすくなっていくと思うので、少しお付き合いください。

とは言え、焙煎は実際に何が起こっているのかまだまだ分かっていないことだらけです。
かく言う自分もまだまだ勉強中の身でして、このブログも自分のインプットのために書き殴っているのに過ぎないので半ば反面教師的な目線で読んでいただけると幸いです。

 

 

焙煎とは

そもそも焙煎とはコーヒーの生豆に熱を与えることで化学変化を促し、コーヒーの香りや味わいを形作る工程です。

味わいを形成するとは言え、自由自在に作れるわけではありません。
コーヒーを勉強されている方なら7:2:1という比率を見聞きしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。これはコーヒーの味わいを決める比率を表したもので、コーヒーの味わいの良し悪しを決める比率は

生豆の品質:焙煎:抽出=7:2:1

つまり、焙煎し、抽出したコーヒーの味わいは7割生豆の品質ですよということです。
そのためどんなに素晴らしい焙煎をしてもアーシーなテイストのあるコーヒーがフローラルでフルーティなゲイシャのようにはできません。
つまり持っているもの以上のものはできませんよということです。

 

焙煎で形成されるもの

上記では、コーヒーの生豆に熱を与えることで香りや味わいを形作ると説明しましたが、実際にどんなものができているのかをご説明します。

ただ、焙煎中というのはとても複雑でここでこれができていますと断言できないくらい多くのことが起こっています。そのためざっくりとこんなものができているんだくらいに読んでください。

酸味

特にスペシャルティコーヒーは酸味で語られることが多い飲み物です。生産者の方々の弛まぬ努力と産地のテロワールによって、素晴らしい酸味が生まれるわけですが、コーヒーの生豆自体には酸味は含まれていません

酸味は生豆に熱を加えることによって生まれ、徐々に分解されていきます。

浅煎りは酸味がピークを迎えた時点で焙煎が終了されるため、抽出したコーヒーは酸味の強いコーヒーになりますが、酸味は熱によって分解されるため、焙煎が深くなっていくにつれて酸味が少なくなっていきます。

酸味に関しては、どんな酸味が生成されるかは素材次第ですので、焙煎工程によって増加したり減少したりしてます。

主な酸味の種類

クエン酸/Citric acid

レモンなど柑橘類に含まれている酸味。スパークリングで弾けるような感覚。クエン酸は未熟なチェリーに多く含まれていますが、熟すと糖類に変わります。

引用:Barista Hustle アドバンスコーヒーメイキング

https://japan.baristahustle.com/courses/ACM-jp

 

・リンゴ酸/Malic acid

りんごに代表される酸味でフルーティな味わいを形作ります。リンゴ酸も比較的明るい酸味ですが、クエン酸ほど強い酸味と明るさを感じさせない。また質感に丸みを感じる。
コーヒーの成熟にかかる時間が長いほど多く含まれる。

引用:Barista Hustle アドバンスコーヒーメイキング

https://japan.baristahustle.com/courses/ACM-jp

 

・酒石酸/Tartric acid

ワイン用ブドウ品種に見られる酸味。焙煎豆には僅かしか含まれていないがwineyやグレープといった印象で人間は感知できます。深いマウスフィールがあり、渋味のある後味を残します。

引用:Perfect Daily Gring

https://perfectdailygrind.com/2015/11/coffee-science-whats-acidity/

 

・リン酸/Phosphoric acid

炭酸ジュースのようにシュワシュワした感じを出す。

引用:Barista Hustle アドバンスコーヒーメイキング

https://japan.baristahustle.com/courses/take/ACM-jp/texts/5507194-1-3

甘さが他の酸味よりも強く、軽い収斂味を感じさせる酸味。

他の酸味に比べてやや馴染みの少ない酸ではありますが、エチオピアのウォッシュドのコーヒーなどに含まれている印象です。

 

・酢酸/Acetic acid

お酢のような香りのする酸味。低濃度では切れ味やライムのような軽度なフルーティな風味として知覚されますが、高濃度では発行集のような匂いがしてしまう。
酢酸の味と香りは他のフレーバー(特に糖類)と組み合わさると、ワインやシャンパンのような風味につながる。

引用:coffee strategies

Q Grader Matching Pairs Exam - supplies and how to study for the test

 

・乳酸/Lactic acid

ミルクの酸として知られる。
コーヒーにボディを与える。ショ糖が分解されて生成されるため、焙煎が進むにしたがってボディが増えていくのはこの酸味のおかげ。

引用:coffee strategies

Q Grader Matching Pairs Exam - supplies and how to study for the test

 

香り

焙煎によってコーヒーの香りが生成されていますが、所謂ローストされた香ばしい香り以外にも、フローラルやチョコレートライクのような様々な香り成分を焙煎によって作り出しているわけですが、これにはストレッカー分解という反応が大きく関わっていると言われています。

これは焙煎中のメイラード反応に副次反応というふうになっており、この反応によって約800種類ものコーヒーの香り成分を作り出していると言われています。

 

苦味

苦味にも様々なタイプの苦味があるため、あまり一括りにはできないのですが、焙煎によって苦味を形成します。

単純に焙煎を長くしていけばよりカラメル化が進み、カラメルが焦げたようないわゆる深煎りの苦味というのが生成さっれるわけですが、浅煎りでも焙煎エラーを起こすことで苦味を感じたり、焙煎によって発生した煙が豆に付着することで苦味を感じたりすることもあります。

 

主な苦味の種類

・カフェイン/Caffeine

アラビカ種は平均1.2%含まれる。焙煎後は水分の減少に加え多くの成分が分解されるが、カフェイン は安定している為焙煎後のカフェインの割合が高くなる。

引用:Barista Hustle アドバンスコーヒーメイキング

https://japan.baristahustle.com/courses/take/ACM-jp/texts/5507193-1-2

 

・トリゴネリン/Trigonelline

カフェインと同様アルカロイドに分類される。アルカロイドは生豆中に3~2%存在するが焙煎によって90%が失われる。苦味になる一方でピラジン、フラン、アルキルピジン、ピロールのような好ましい香気成分を作る。

引用:Barista Hustle アドバンスコーヒーメイキング

https://japan.baristahustle.com/courses/take/ACM-jp/texts/5507193-1-2

トリゴネリンを焙煎中に上手く分解できない場合、コーヒーにドライな印象を作ってしまいます。その場合はディベロップメントタイムを稼ぐことで分解することが可能です。

 

・クロロゲン酸/Chlorogenic acid

ポリフェノールの集合体。抗酸化物質でもあり、苦味もある。
生豆中に5.5%~8%含まれるが、中煎りで50%失えわれる。
焙煎が未発達や過発達では金属っぽさやドライさを出す。
ポリフェノールはタンニンで知られる。

引用:Barista Hustle アドバンスコーヒーメイキング

https://japan.baristahustle.com/courses/take/ACM-jp/texts/5507193-1-2

クロロゲン酸は主に“渋み”として知られる物質です。
焙煎中にクロロゲン酸の加水分解が上手く行えなかったコーヒーはアストリンジェント/渋みの印象を強く残してしまいます。クロロゲン酸の加水分解は約170℃あたりで活発に行われる為メイラードフェーズを長く取ることで減少させることが可能です。
また、ケニアの品種として知られるSL-28という品種はクロロゲン酸含有量が多い品種として知られています。

 

・キナ酸/Quinic acid

苦味を呈する。クロロゲン酸から分解されキナ酸の割合が増加する。
主要な苦味成分のため、苦味を抑えようと思ったときはキナ酸を増やさないようにと考えて、焙煎を浅くする必要がある。
キナ酸はコーヒーのクリーンなアフターを作り出す。

引用:Barista Hustle アドバンスコーヒーメイキング

https://japan.baristahustle.com/courses/take/ACM-jp/texts/5507193-1-2

 

・コーヒー酸/Caffeic acid

クロロゲン酸は熱に弱いため、焙煎中にコーヒー酸に分解される。
コーヒーの深い香り、色や苦味の主成分。
リラックス効果や癌細胞の転移や増殖を抑制する効果がある。

引用:Barista Hustle アドバンスコーヒーメイキング

https://japan.baristahustle.com/courses/take/ACM-jp/texts/5507193-1-2

 

まとめ

今回は焙煎って何をしているかと、焙煎によってどんなものが形成されるのかというのをざっくりと説明させていただきました。

次回は焙煎のフェーズごとの変化とそれのコーヒーへの影響という部分をざっくりとまとめていきたいと思います。